
WoWコミュニティに、ドルイドをテーマに飾った結婚式の写真が投稿された。森の中の湖畔で開かれた式場に、ナイトエルフのかつての故郷テルドラシルの音楽が流れた。二人がギルドで縁を結んだのは5年前、現実で初めて顔を合わせたのは3年前だった。
✦ 二人の縁の時間
ギルドから結婚式まで
結婚式は、投稿の3週間前だったという。
アゼロスで人に出会う方法
2004年11月に北米でサービスを始めたWorld of Warcraftは、ウォークラフトの世界観をもとにしたMMORPGだ。プレイヤーは種族と職業を選んで、クエストをこなして、装備を集めながら成長する。
一人でストーリーを追ってもいいけれど、ダンジョンとレイドでは、ほかの人と役割を分けなければならない。敵の攻撃に耐える防御担当、味方を生かす回復担当、敵にダメージを与える攻撃担当が、息を合わせる構造だ。
本格的なMMORPGの、タンク・ダメージディーラー・ヒーラー体制が好きなユーザーなら、のめり込まずにはいられない。
たとえば、ミシック+ダンジョンは、決まった時間内に攻略を終えて、さらに高い難易度に挑戦するコンテンツだ。制限時間内に、どの敵の群れから先に相手にするか、危険な技が出るとき防御スキルをいつ使うかまで、チームの判断が結果に影響する。
高い段階を狙うパーティは、装備をそろえるだけでは終わらない。誰が危険な呪文を止めるか、どの区間で防御スキルを温存するかまで、合わせなければならない。
一度で成功できなければ、同じチームがまた集まって、次の挑戦を続けられるけれど、ダンジョン攻略にかなりの時間が必要なので、失敗への緊張感がかなり大きい。
✦ ほかのゲームとWoWのダンジョン
ダンジョンを一緒にやる方式の違い
ほかのゲームでは、ランダムに出会ったパーティメンバーとダンジョンを一回回って散らばりやすいよね。課金をたくさんした、いわゆる「課金で固めた最強キャラ」(ものすごく強いキャラクター)1人が、ほかのユーザー数人分の働きをしてしまうこともあるし。
でも、World of Warcraftのダンジョンは、パーティメンバーとずっと一緒にやる動機を与えてくれる。見知らぬ人たちとパーティを組んでダンジョン攻略に出て、でたらめなプレイのせいで時間を無駄にして、攻略をあきらめることが珍しくないから。
もし難しい難易度のダンジョン攻略を一緒に成功したなら、すでにほかのパーティメンバーと、深い絆で結ばれずにはいられない。
World of Warcraftは、課金をたくさんした1人のキャラクターが、高い難易度のダンジョンを一人でクリアしてしまうようなゲームではないから。
課金をたくさんした仲間ではなく、自分と気が合って、息が合うパーティメンバーが、最高の仲間だ。
WoWを通じて結ばれた縁
ギルドといっても、みんなが家族のように過ごすわけではない。WoWのギルドを研究した学者たちも、ゲームで新しい縁をつくって関係を深める利用者がいる一方、ほかのプレイヤーを単なるゲームの背景のように扱う場合もあると説明した。
ギルドに加入すること自体より、自分がこつこつやりたいコンテンツと合う人たちに出会うことが大切だ。
2026年9月7日、英語圏のWoWコミュニティr/wowに投稿された写真には、ギルドマスターとレイドリーダー、複数のギルドメンバーが一緒に写っていた。ゲームではなく、現実で会った写真だ。ギルドメンバーの中には、現実でその日初めて会った人たちもいた。
オンラインですでに一緒に時間を過ごした仲だったから、ゲームで積み重ねた関係が、画面の外でも続いたことを見せる場面だ。投稿者は最後に、「ミシック+ダンジョンを回っていて気に入った人ができたら、アゼロスの外でも会ってみて」というアドバイス(?)を付け加えた。
✦ 三つの異なる始まり
出会った場所と関係が始まったきっかけ
2022年には、ある利用者が、2014年のハイマウルのレイドファインダーで夫に出会ったと投稿した。
ハイマウルは、当時の拡張パック『ウォーロード・オブ・ドレノア』に登場したレイドで、レイドファインダーは、自動でほかの利用者と人数を合わせて、一緒に攻略させてくれる機能だ。
二人は別々のサーバーでプレイしていて、当時、夫は、投稿者がボスの「ブッチャー」の戦闘方式をよく知らないという理由で、レイドメンバーの前でからかったそうだ。最初の出会いが映画みたいに優しかったわけではない。でも、結局二人は現実で夫婦になった。
その投稿を上げたときは、二人が初めて会ってからほぼ8年がたったあとで、二人は結婚して娘を育てていた。投稿者は、夫がいまだに自分をからかうと冗談を言った。
知らない人たちのあいだで一度交わした意地悪な言葉が、のちに、夫婦が一緒に笑える最初の出会いの思い出として残ったのだ。
ギルドやレイドではなく、ランダムなダンジョンパーティで出会った夫婦もいる。PC Gamerが2024年にインタビューしたLiam Quinnは、夜遅くのダンジョンファインダーのパーティに入って、タンクとしてプレイしていたAnaに出会ったと語った。
その日は機嫌がよくなくて、ほかのパーティメンバーにとげのある言葉を言ってしまったりもしたけれど、パーティを続けるつもりがあるかとAnaに尋ねたそうだ。新しいパーティが見つからなくて、二人は明け方まで会話を続けて、その親しさが愛に発展した。
現実で会おうという話が出たとき、Liamは車いすを使っているという事実をどう話せばいいかわからず、しばらく断ったそうだ。でもすぐ考えを変えて、正直に話して、二人は実際の出会いにつなげた。そして二人は夫婦になった。
2019年には、WoWで出会った妻に、「二人の最初のデートを描いた絵」を結婚祝いとして贈った利用者の投稿も上がった。彼は、妻がギルドチャットで自分のキャラクターの名前をふざけてからかい、最初に関心を示したと、コメントで説明した。
最初のデートの場面をデジタルイラストで依頼して、キャンバスに印刷したとも話した。ゲームの中でだけ通じた冗談と思い出が、時間がたったあと、結婚祝いとして残った事例だ。
初めて始めるなら、どこへ行けばいいのか
どう? あなたも、World of Warcraftで縁を探せそうじゃない? ちょうどもうすぐ、World of Warcraft: Foreverが出るから、いいチャンスだね。
✦ ギルドを選ぶときに見ること
募集文で確認してみよう
新しい人とこつこつプレイしたいなら、ギルドの募集文で、主にやるコンテンツと活動時間を先に見てみて。レイド中心なのか、キーストーンダンジョンをよく回るのか、初心者でも質問しやすい雰囲気なのかが大事だろう。
そして、ボイスチャットを主に使うところなのか、ゲーム内チャットだけでも活動できるのかも、確認するといい。会話の方式が合ってこそ、長く付き合いやすいから。
✦ 無料体験でできること
現在基準
現在、World of Warcraftは、20レベルまで無料体験ができて、この区間でも、クエストとダンジョンを体験できる。ただ、ギルドのようなソーシャル機能をきちんと使うには、利用料を払わなければならない。(それとクラシック版は、無料体験の対象ではない)
もしWorld of Warcraftが初めてなら、まずゲームの雰囲気を確かめてみよう。古いゲームだから、最新のMMORPGに慣れている人には、「こんなしょぼいグラフィックで複雑な昔のゲームを、なんでやるの?」と思えるかもしれないから。何より…
キャラクターたちが不細工だ。かわいくてきれいなキャラクターが好きな人なら、自分のキャラクターをどれだけ飾っても、モンスターに見えるという点が残念だろう。
WoWでいちばん長く残る戦利品は、装備や実績ではない。ギルドチャットで始まった冗談、ダンジョンが終わったあとに続いた明け方の会話、現実の結婚式に直接来てくれたゲームの仲間のほうが、大切な思い出だろう。
だから「WoW: Forever」の発売を控えて、あのころ戦場で一緒に泣いて笑ったゲーマーたちが、期待に胸をふくらませているのだ。
もっといい装備を手に入れて、すごい実績を達成するためではなく、自分の幼いころ、若いころの思い出が詰まったゲームで、あのとき一緒だった仲間たちに、もう一度会いたいのだ。
今回はここまでにするよ。また会おう。
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